乳児・小児皮膚科|茨木市の皮膚科|吉川医院|阪急茨木市駅から徒歩1分

〒567-0817 大阪府茨木市別院町5-3 ケイズコート茨木別院町101号
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乳児・小児皮膚科

乳児・小児皮膚科|茨木市の皮膚科|吉川医院|阪急茨木市駅から徒歩1分

乳児・小児皮膚科について

乳児・小児皮膚科は主に乳児・小児を対象として、皮膚に生じる様々なトラブルの治療とケアを行う診療科です。発達途中にある子どもの肌はとてもデリケートです。皮膚に分泌される脂分が少ないため、乾燥してバリア機能が弱かったり、免疫力も弱く皮膚の感染症にかかりやすかったりします。また、お子さん特有の皮膚症状もあり、個人差も大きいため、しっかり診察したうえで、一人一人に合った適切な治療を行うことが大切になります。
当院は、小児皮膚科ならではの検査・処置をしっかり行い、子どもに多い皮膚の病気についても、わかりやすい説明を心がけながら診療を行っております。
お子さんは成長とともに肌の状態が変化していきます。その変化に合わせたスキンケア方法や日常生活でのアドバイスなども適時お伝えし、お子さんの皮膚の健康をしっかりサポートさせていただきます。お子さんの肌に異常が見られるときは、一度ご相談下さい。

乳児・小児皮膚科の対象となる主な疾患

お子さんの皮膚の異常や気になる症状がある際は、何でもお気軽にご相談下さい。

あせも(汗疹 かんしん)

あせもは、発疹やかゆみが特徴的な皮膚の病気で、名前のとおり、汗をかきやすい首や関節にできやすい病気です。汗をかきやすい夏によくあると思われがちですが、実は厚着をしたり暖房のついた部屋ですごしたり、高温多湿な状態になりやすい冬にもよく見られる病気です。あせもは、汗の通り道である汗腺が詰まり、汗が汗腺にたまることが原因です。汚れやほこり、他にも汗に含まれる分泌物が固まって汗腺を塞いでしまうこともあります。皮膚の表面から浅いところで汗が溜まると白っぽい発疹が見られる水晶様汗疹が起こり、深いところに汗が溜まると赤い発疹が見られる紅色汗疹が起きるといわれています。水晶様汗疹は1~3mm程度の白っぽい発疹がみられ、かゆみや痛みがほとんどないことから気づかないこともあります。紅色汗疹の場合は赤いボツボツとした発疹、かゆみ、チクチクする痛みが見られます。

治療としては、水晶様汗疹の場合は放っておいても数日で症状が軽快していくことが多く、自覚症状も少ないことからそのまま様子をみていきます。紅色汗疹の場合は、かゆみや痛みが強く炎症がひどい場合にはかゆみを抑える抗ヒスタミン薬を使用したり、炎症を抑えるステロイド剤を使用することもあります。できるだけ触らないようにしたり、できるだけ爪を切っておくなどお子さんが掻きむしらないように工夫してあげましょう。予防も大切です。あせもをおこさないようにするポイントは「高温多湿を避ける」「汗をかいたら流す・こまめに拭く・着替える」ことです。

乳児湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)

乳児湿疹は10~30%の乳児が、生後2週~2か月頃に発症します。この時期は、胎盤を通して胎児に移行した母体由来の女性ホルモンの影響が残っているため、皮脂の分泌量が多くなる傾向にあります。皮膚には様々な常在菌が潜んでいますが、そのなかでもマラセチアと呼ばれるカビの一種は、皮脂を栄養源として増殖するため、皮脂の過剰分泌が生じると異常増殖して皮膚に炎症を引き起こすと考えられています。

きちんと治療しないとひっかき傷から細菌感染などを起こすこともあります。症状が長引く場合などは、皮膚科で適切な治療を受けることをおすすめします。

おむつかぶれ

おしっこや、うんちの刺激でおしりに炎症ができる、赤ちゃんの代表的な皮膚トラブルです。医学用語で「おむつ皮膚炎」といい、おむつがあたっている部分に起こる皮膚の炎症です。赤ちゃんの肌は薄くて角質層のバリア機能が未熟なため、外部刺激の影響を受けやすい特性を持っているため、おむつかぶれを起こしやすいのです。ほとんどの赤ちゃんが一度だけでなく何度も経験しています。肛門まわりがうっすら赤くなってきたら、おむつかぶれの初期症状のサインです。 おむつをこまめに替えて清潔と適度の乾燥を保つことが予防とケアになります。清潔は大切ですが、洗いすぎやこすりすぎには注意が必要です。早く治すためには適切な軟膏処置が必要です。状態によって、ワセリンや亜鉛華軟膏、抗生剤含有軟膏、ステロイド軟膏などを使い分けます。カビの一種であるカンジダ感染でも同じような症状が見られますので、症状が改善しない場合はお早めに皮膚科専門医を受診して下さい。

とびひ

とびひとは民間でいわれる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。細菌による皮膚感染症です。ブドウ球菌や溶連菌などが原因菌です。接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっという間に広がるので“とびひ”と言うのです。あせも、虫刺され、湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染をおこしてとびひになります。また鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児、小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことで、とびひになってしまうのです。治療は患部を石鹸で洗浄し、清潔に保つこと、細菌感染症のため、抗生剤内服や外用が基本となりますが、アトピー性皮膚炎やその他の湿疹と合併して起こることがしばしばありますので、広がる前に早めに皮膚科専門医の受診をおすすめします。

小児のアトピー性皮膚炎

多くは赤ちゃんのころから始まる全身の湿疹の一種です。皮膚が乾燥して、赤くなったり、かゆくなったりを繰り返すのが特徴です。もともとアレルギーを起こしやすい体質、皮膚のバリア機能が弱くなっているなどの「アトピー性皮膚炎になりやすい体質」にホコリ・ダニ・アレルギー物質、ひっかくことによる刺激、汗や化学物質など、環境の様々な刺激が加わってアトピー性皮膚炎になります。家族や本人にアレルギーの病気(アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息など)がみられることが多いです。症状として、赤ちゃんの頃に顔から皮膚炎が始まり、全身に広がっていきます。小学校以降は肘裏、膝裏を触るとザラザラとした皮膚炎が出てきます。どの年齢の場合も皮膚が乾燥しています。10歳くらいまでには症状が落ち着くことが多いのですが、最近は小学校以降に発生するアトピー性皮膚炎も増えています。治療の目的として、小児アトピー性皮膚炎は、通常は小学生期に落ち着くことが多いのですが、成人になっても続いていたり、成人になってから発症する場合もあります。しかし、長い年月はかかるものの、いずれは落ち着くことも多く、その日がくるまで適切な治療で辛い症状をコントロールすることが一番重要なポイントです。また日常生活でも保湿などのスキンケアで維持・予防することも重要です。赤ちゃんの時から適切に診断し、治療すること、長く信頼できる専門医にかかることが大切です。

じんましん

じんましんは子どもによく見られる症状の一つで、皮膚の赤みや膨疹(みみず腫れのような状態)とかゆみを伴うことが特徴的な症状です。

突然症状が出ることもあり、原因がわからないことも多いのですが、数十分~数時間で症状が自然と収まる特徴があります。

水いぼ

水いぼは正式には伝染性軟属腫といわれ、ウイルスの感染症です。主に学童期以前の小児にみられます。やや光沢のある肌色~白みががった円形の丘疹で通常2~5mm程度です。皮膚の接触による感染で、主にプールで感染が広がりやすいです。ビート板を介してうつることもあります。学校を休ませる必要はありません。プールは学校判断で休ませるところもあるようです。

当院では麻酔テープを貼付して頂き、ピンセットによる除去を原則として施行しております。前述したとおり、水いぼはウイルス性のできものであり、放っておくと体中に広がることがあります。
そうなると除去も大変ですし、何よりお子様がかわいそうですので、個数が少ないうちに専門医へ受診して下さい。

手足のいぼ(尋常性疣贅 じんじょうせいゆうぜい)

麻疹(はしか)

麻疹とは、一般的には“はしか”とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる病気のことです。麻疹ウイルスは空気感染、飛沫感染、接触感染など様々な感染経路をもち、非常に感染力が強いのが特徴です。特に空気感染は一般的な手洗いやマスク着用などの感染対策では予防することができず、感染者と同じ空間にいるだけで感染するリスクが生じます。そのため学校などでの集団感染が起こるケースも珍しくありません。
感染すると10日~12日間の潜伏期を経たあとに38℃前後の発熱が24日間ほど続き、体のだるさ、のどの痛み、鼻水、咳、目の充血、目ヤニなどの症状が現れます。
その後いったん熱は下がるものの、半日程度で39℃前後の高熱が現れ、おでこ、耳のうしろ、首などに赤い発疹ができて2日ほどで全身に広がっていきます。この時期には上述したいわゆる
“風邪症状”はさらに悪化していきますが、34日すると徐々に熱は下がっていき、さまざまな症状も改善していくのが特徴です。

一般的には小児科にかかられる方が多いですが、いわゆる“風邪症状”から始まるため、
風邪ぐすりを処方されてから皮膚症状がでるため、薬疹と間違われて来院されるお子さんもみうけられます。皮膚科専門医はウイルス性発疹も適切に判断しますのでご相談下さい。
尚、学校保険安全法では解熱後3日を経過するまでは登校をしないように決まっています。

水痘(すいとう 水ぼうそう)

水痘帯状疱疹ウイルスの空気感染や接触感染でおこる非常に感染力の強いウイルス感染症です。
ふつう2~3週間後の潜伏期の後に、熱が出て、体に虫刺されのような紅斑がでてきます。
1日くらいでそれが水ぶくれになって、全身に広がります。強いかゆみもあります。頭皮にもあらわれるのが特徴です。熱は数日でおさまって、水ぶくれの所も黒いかさぶたがつくようになり、7日くらいでおさまります。ただし、熱が出ない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。

軽いと思われるみずぼうそうですが、脳炎や肺炎、皮膚の細菌感染など多くの合併症が知られています。日本でも約3000人が重症化し、10人以上が毎年みずぼうそうで死亡しています。
特に重症になりやすいのは、1歳前、7~10歳以上のアトピー性皮膚炎など皮膚疾患があるお子様です。

ウイルス性疾患ですが、ウイルスの増殖を抑えるアシクロビルという内服薬や点滴の特効薬があります。かゆみに対しては抗ヒスタミン薬を使用し、高熱がある場合は解熱剤、水疱を乾かすような外用を処方します。
水ぼうそうは学校保健安全法で、すべての発疹がかさぶたになるまで登校を停止するように決まっています。
また、初感染の後に体内の神経節に潜伏したウイルスが、将来帯状疱疹として発症することがあります。

風疹(ふうしん 三日はしか)

風疹は風疹ウイルスに感染してからおよそ23週間の潜伏期を経たのちに病気を発症しますが、
症状がないか、ごく軽いために感染したことに気づかないこともあります(不顕性感染といいます)風疹の症状として、全身のだるさ、発疹、微熱、関節痛、首のリンパ節の腫れなどがあります。

首のリンパ節の中でも特に耳の後ろや後頭部にあるリンパ節が腫れるのが特徴です。発疹は小さい紅斑で、全身に広がっても癒合せず、麻疹とは異なります。解熱するころの35日で跡形を残さずに消えていく点も麻疹と異なります。特効薬はなく、高熱がある場合は解熱剤投与など対症療法となります。

まれに子どもにけいれんや意識障害をきたす脳炎や血液の異常で出血をしやすくなることがあります。
学校保険安全法では紅斑が消失するまで登校をしないように決まっています。

手足口病

手足口病とは、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹を引き起こす病気のことです。コクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することによって発症する感染症であり、小児を中心に夏季に流行します。

発症者の約9割は5歳以下の小児とされており、原因となるウイルスに一度感染すると免疫ができるため、同じウイルスに再び感染したとしても手足口病を発症することはありません。しかし、手足口病の原因となるウイルスは複数あるため再発することが多々あり、近年では成人が発症するケースも増えています。
手足口病は発疹のほか発熱が見られることもありますが、多くは1週間以内で自然に軽快するとされています。しかし、稀に髄膜炎や脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

皮膚症状が改善、解熱し、ミルクや食事がとれるようになれば登園できることが多いですが、施設により異なるため、確認する必要があります。

突発性発疹(とっぱつせいほっしん)

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型に感染することによって発症するウイルス感染症です。前触れもなく突然38℃以上の高熱が現れます。しかし、高熱であるものの機嫌が悪い、食欲がない、ぐったりしている、といった全身症状の悪化に伴う症状が目立たないケースが多いのも突発性発疹の特徴です。

発熱は通常3日程で自然に治まりますが、解熱した後に顔や腕、脚を中心に全身に210mmほどの赤い小さな発疹が散らばるように多数現れます。なお、これらの発疹はかゆみや痛みなどは伴わず、34日ほどで跡を残すことなくきれいに消失します。

伝染性紅斑(でんせんせいこうはん リンゴ病)

ヒトパルボウイルスB19型の感染症による紅斑を主症状とする流行性発疹性疾患です。典型例では両頬がリンゴのように赤くなることから“りんご病”と呼ばれることもあります。潜伏期は10日~20日で、幼少時に好発します。

症状としては両頬に境界鮮明な紅斑が出現し、続いて四肢にも両側性にレース様紅斑がみられます。紅斑はおよそ1週間程度で消失します。
治療は経過観察で、ほとんど合併症をおこすことなく自然に回復します。

虫刺され(虫刺症 ちゅうししょう)

毛虫皮膚炎

毛虫皮膚炎はガやチョウの幼虫の毒針毛(どくしんもう)、あるいは毒棘(どくきょく)に触れることによって起こる皮膚炎です。毒針毛や毒棘は肉眼では見えないので、気づかないうちに触れてしまっていたり、風で飛ばされてきたり、外干しの洗濯物についた毒針毛が皮膚に付着したりと、知らずに発症することがあります。

毛虫皮膚炎の代表的なものは、チャドクガの幼虫によるものです。幼虫のふ化時期である5月から6月、8月から9月に多く発生するので注意が必要です。
症状は、赤く盛り上がった膨疹が生じる「即時型反応」と、12日後に赤いブツブツした皮疹が生じる「遅延型反応」の2種類があります。「即時型反応」はチクチクとした痛みや強いかゆみを伴うこともあります。毛虫皮膚炎は、毒成分や体質によるアレルギー反応によって起きるため、症状の出方には個人差があります。
皮疹は左右対称性に現れ、首やうでに集中して生じるのが特徴です。干していた洗濯物に毛が付着していたものを着た場合は露出部でなくても症状がでます。掻くと症状が広がり、ひどい場合は「とびひ」などになることもあります。

治療は抗ヒスタミン剤の内服とステロイド外用で治療します。毛虫皮膚炎の症状が疑われる場合は早めに受診しましょう。

シラミ症(アタマジラミ)

お子さんが頭を掻いていたり、かゆみを訴えたりしたら、髪の毛を注意深く調べてみましょう。
アタマジラミが原因かもしれません。アタマジラミの卵は後頭部や耳のうしろ、えりあしなどで見つかることが多く、フケに似ていますが、アタマジラミの卵は髪の毛にしっかりと固着しており、簡単にはとれない特性があり、楕円形、乳白色、光沢がある、といった特徴があります。
このような物体を見つけたらシラミを疑って下さい。治療ではシラミ駆除薬のシャンプーを使用します。髪を櫛でとかすことも有効です。

シラミは頭と頭の接触や寝具、帽子、タオル、ブラシなどでうつる場合が多く注意が必要です。これらの物は、専用のものを使用し、共用を避けるようにしましょう。

小児皮膚科でよくみられる皮膚腫瘍(できもの)

  • ほくろ(母斑細胞性母斑 ぼはんさいぼうせいぼはん)
  • 石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)
  • 脂腺母斑(しせんぼはん)
  • 異所性蒙古斑
  • 血管腫

その他にもたくさんの種類の皮膚腫瘍があります。
当院ではまずは視診やダーモスコピー(拡大鏡)検査によりある程度の診断をつけ、しばらくは様子をみて大丈夫な“できもの”なのか、すぐに生検や切除をして組織診断しないといけない“できもの”なのか、もう少しお子様が成長して局所麻酔にたえられる年齢になってからでも遅くはない“できもの”なのか判断しています。お子様の皮膚の“できもの”に関しましてご心配あればいつでもご相談下さい。