こんにちは。院長の池田大助です。
吉川医院は約70年前に故・吉川景三が当時では珍しい主に皮膚科を専門とする医院として開院しました。昭和56年からは私の兄である吉川章彦が継承し、開院以来の来院患者様数はのべ200万人以上の実績を持つ皮膚科医院となりました。
現在はマンション1階で開設していますが、2000年までは当院のロゴマークにもなっている“屋根の上に風見鶏が住んでいる皮膚科”として覚えている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
今も茨木市はもちろん他府県、他市町村から来院される患者様も数多くおられ、
年間平均のべ2,5万人以上の患者様が来院されています。また医療関係者の方も多く来院されている医院です。
私は、平成6年に医師免許取得後、阪大特殊救急部(現在の高度救命救急センター)に入局、翌年の阪神淡路大震災の際には前線で災害医療に携わりました。
同年、兵庫県立西宮病院救急医療センター(現救命救急センター)に配属。震災後の挫滅症候群や、救命を必要とする交通外傷、刺傷、頭部外傷、重度熱傷など多数の救急症例を経験、、その後赴任した守口敬仁会病院では消化器外科で研修し、急性虫垂炎、急性胆のう炎、消化管穿孔、腸閉塞、胃がん、大腸癌をはじめとする消化器癌など数多くの手術症例を経験させて頂きました。
皮膚科転科後も同院で救急当直を続けさせて頂き、2023年まで約29年間救急医療に微力ながら携われました。これは自分自身の中では大きな誇りでもあります。
この救急、外科での経験は、皮膚科専門医の私にとって、本当に大きな強みとなっています。外科的な技術習得はもちろんですが、“皮膚は内臓を写す鏡”とよく言われるほど、皮膚科はただ皮膚を診るのではなく、全身を診る科なのです。
内臓癌、肝臓病、膵臓病などの消化器・肝胆膵系疾患、糖尿病をはじめ甲状腺、副腎などの内分泌系疾患、心不全、動脈・静脈閉塞、血管炎などの循環器・血管系疾患、SLEや皮膚筋炎などの膠原病、腎不全などの腎臓泌尿器科系疾患、種々の細菌・真菌感染症など、あらゆる内科的疾患が初期症状や随伴症状として皮膚に症状が出てくることが多くあるからです。皮膚所見から内臓病変を予測できるというのは皮膚科専門医の大きな一つの醍醐味だと思っています。
皮膚科を受診される方のほとんどは一般的な皮膚疾患ですが、常にそのことを意識して日々の診療にあたっています。
1998年、将来吉川医院を継承することを決心したため、皮膚科の道に進みました。
現在の大阪医科薬科大学皮膚科学教室で勉強させて頂き、色々な皮膚腫瘍や皮膚癌の手術、抗がん剤治療など皮膚外科部門を主に担当しました。皮膚科専門医を取得後総合病院の皮膚科部長となり大学病院勤務と併せて約26年間病院勤務医として、一般的な皮膚疾患はもちろん、皮膚癌、重症薬疹、難治性皮膚疾患、褥瘡の治療など多岐にわたる臨床経験を積んでまいりました。
吉川医院では2006年から非常勤として勤務していましたが、2024年4月から兄のあとを継ぎ、医院を継承させて頂くこととなりました。
今まで吉川景三、吉川章彦が築いてきた伝統を受け継ぎつつ、私の今までの経験も活かして、“茨木のちゃんとした皮膚科”として吉川医院を受け継いでいく所存です。
あの頃、医院の屋根の風見鶏をみていた子どもたちは、もう私と同じ世代のお父さん、お母さん、あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんとなられ、自分のお子様やお孫さんたちを連れて来院されるのをみていると本当に微笑ましく、医院の歴史を感じます。
そんなアットホームな医院をこれからも続けていけたならなあと思います。
私も恐れるこわいこわい(本当はやさしい)前院長(吉川名誉院長)もまだまだ健在で毎週月曜日に診察しておられますので、私ともども皮膚のことで何かあれば、いつでもご来院下さい。
これからも吉川医院をよろしくお願いします。
2024年4月1日
吉川医院
院長池田 大助